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オスプレイ飛来への抗議と日米地位協定見直しを求める事務局長談話

2020年8月5日

オスプレイの飛来に対する抗議と日米地位協定の抜本的見直しを求める事務局長談話

日本労働組合総連合会北海道連合会
事務局長 藤盛 敏弘

 8月4日、米軍横田基地所属のオスプレイ2機が、事前通告もなく、航空自衛隊千歳基地に着陸した。また、前日には後志管内の上空でオスプレイ3機の飛行が目撃されている。
 この間、連合北海道では、日米共同訓練で運用されるオスプレイに対し、墜落事故を繰り返すオスプレイの飛行に強く反対するとともに、周辺自治体では再三にわたって飛行情報の公開を求めてきたが、今回の米空軍単独のオスプレイ飛来は極めて遺憾であり、日米間の信頼を損なうものである。
 これまでも日米政府は日米地位協定を後ろ盾にしながら、日本での自由な飛行や自衛隊施設の使用を容認しているが、このままでは日本全体が米軍基地として使用され、北海道においても夜間飛行や低空飛行が常態化し、事故発生時には日本側は関与できないまま有耶無耶にされる恐れがある。このような在日米軍の特権を認めた日米地位協定を認めるわけにはいかない。
 また、新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう中、在日米軍基地ではクラスターが発生している。在日米軍は、感染者が米兵なのかその家族なのか、属性を明らかにせず、行動履歴を開示していない。さらに、日米地位協定では、米軍関係者は入国に関わる一切の手続きが免除されているため、いくら日本政府が水際対策として、入国制限や検疫の措置を講じたとしても、米軍は日本の検疫を受けずに入国できることになる。これでは在日米軍内で広がるコロナ感染から、国民の命と安全を守ることはできない。
 日米地位協定は、刑事裁判権、米軍の管理権としての基地使用のあり方、環境汚染など、さまざまな問題点が指摘されてきたものの、1960年に締結されて以降、一度も改定が行われていない。北海道も構成会員となっている渉外関係主要都道府県知事連絡協議会においても、米軍の航空機を使用する場合の国内法令の適用、また、検疫・保健衛生に関する国内法令の適用を求めている。そして、われわれの悲願である北方領土問題の解決は、日米地位協定が改定されない限り、返還後の北方領土に米軍基地が設置されるのではないかというロシアの懸念は拭えず、領土問題の解決を大きく後退させている。
 連合北海道は、北海道の平和と軍縮を求めるとともに、北方領土問題の解決を強く願っている。その弊害となる在日米軍の特権的な法的地位を定めている日米地位協定の抜本的見直しを求め、今回の事前通告もなく飛来したオスプレイの強行飛行に強く抗議する。

以 上


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