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平成26年度北海道最低賃金改正に関する談話

事務局長  出村 良平

8月12日午後、北海道地方最低賃金審議会(以下「審議会」)は、平成26年度北海道の最低賃金を現行の734円から14円引き上げ、748円に改正し、10月8日から発効することで結審した。
地域最低賃金は、北海道の低賃金構造を改善し、「働く貧困層=ワーキングプア」の解消のためのセイフティネットの一つとして最も重要なものである。
本年度の審議会は、昨年同様「経済財政運営と改革の基本方針」及び改訂「日本再興戦略」に配意した調査審議を諮問されスタートした。
本年の審議に当たって労働者側は、低賃金ながら必死で働き自立しようとしている人々の生活に深刻な影響を及ぼしている足元の物価上昇を考慮するとともに、全道から寄せられた555団体に及ぶ声を反映して審議することを主張した。また、働く者が経済的に自立可能な水準への改定を強く求め、雇用戦略対話合意の800円、1,000円への引き上げに向けた道筋を付けることを強調した。
これに対し使用者側は、個別企業の支払い能力の限界を強調し、「中賃目安の14円」を大幅に下回る額の提示に固執した。
労働側委員は、「道内の非正規労働者数が、約96万人、比率も約43%と高く、3分の1が家計維持者であることを重視すること。年収200万円以下の労働者も40万人、割合も4分の1を超えていること」などを訴え、「生活できる水準」「仕事に見合った賃金としての適正水準」など、最低賃金のあるべき水準の議論を尽くし、昨年以上の大幅引き上げに最大限努めるよう主張した。
しかし、審議会議論は上記内容についての激しいやり取りとなり、発効日も昨年同様に遅れる状況となった。労使譲らず激しい審議が続く中、公益委員から「中賃目安などを考慮する必要もあり、14円の引き上げ」が提案された。
労働側は、引き上げに伴い、パート労働者に与える影響率(26.9%)が極めて大きいことや、使用者側が初めて14円の引き上げに合意したことなどから厳しい判断を迫られたが、最終的に4年ぶりの全会一致により結審された。
今年は、「STOP THE 格差社会!暮らしの底上げ実現」全道キャラバン第2弾の行動において、全道各地で街頭宣伝活動等を実施し、労働局前での昼休み集会、札幌駅・紀伊國屋前の「早朝街宣行動」などを展開し、道民世論の喚起に向けた取り組みに全力をあげてきた。
今回の改定額は、足元の物価上昇を考慮した生活できる水準という要求からして、決して満足のできる改定額とは言えないが、2008年の最低賃金法改正による生活保護とのかい離は7年の歳月を費やしたものの、やっと解消することができた。そして労働側が主張してきた800円、1,000円への引き上げに向けた道筋を付けるための表記が初めて答申書に記されたことは、極めて大きな意味あいを持つ結果であり、本来あるべき賃金水準のあり方を議論するスタートと受け止めたい。
本年度の地域別最低賃金の闘いは一定収束を図ることとするが、引き続く、特定(産業別)最低賃金の引き上げと、雇用戦略対話合意の800円、1,000円への引き上げに向けて、改正された最低賃金の履行確保、法令遵守を求めていく。
この取り組みに結集された産別・単組、地協・地区連合、関係各位のご協力に感謝し、引き続き、最低賃金の大幅引き上げに向けて、今後も全力を挙げていく。


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